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体を温めて健康に(ヒートショックプロテインとお灸)

「体を温めれば病気は必ず治る」というお医者様が出てきたことは結構衝撃的なことでした。

もちろん、既存の医師でそういったスタンスを持っている人は多数いらっしゃるのですがマスコミに大々的に取り上げられ、それまでの医療スタンスに一石を投じたのは凄かったと思うのです。

あれからずいぶん経ちましたが、実践している方は結構成果を上げているようです。
そうです、身体の健康は自身の実践なんですね。

最近ではヒートショックプロテイ(HSP)が脚光を浴び、これで温める治療はエビデンスを獲得したとの見方をする向きも多く、次なる展開に僕も注目しています。

ヒートショックプロテインというのは、体に熱が加わった時、その熱から身体を防御しようとして作られる特殊なタンパク質に付けられた名前です。

このタンパク質(プロテイン)が熱だけでなく、身体に対するあらゆるストレスにも対応し、傷ついた細胞を修復してくれる働きを持っています。

ヒートショックプロテイン(HSP)が増加する事によって、感染・疲労などで傷ついた細胞を修復したり、ガンや病原菌を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞の活動を活発にしたりして、免疫力を高めてくれるので、ガンなど様々な病気の治療の他、スポーツトレーニングや美容に応用されるなどヒートショックプロテイン(HSP)は注目を集めているのです。




ヒートショックプロテインは、42度程度の加温で増加し、効果があがります。

サウナ、岩盤浴、ゲルマニウム温浴等が効果的とされていますがこれは身体深部を温めるのが効果的とされてるからです。。

このように身体を温めるとHPSが増えるので乳酸の生成を抑え、疲れにくく、運動時間が伸びるという効果があるようで、スポーツ選手も温熱トレーニングを取り入れているようですが、筋肉痛が少なくなるなどの効果もありますので仕事・遊びのパフォーマンスアップ、疲労や怪我の防止としてスポーツ選手でなくても取り入れたいところです。


女性にうれしいところでは、ヒートショックプロテインは、肌の細胞に本来備わっているタンパク質で、紫外線や有害物質から保護しダメージを受けた細胞の修復をします。

同時に角質層の新陳代謝を正常化させ、衰えた代謝を活発化しコラーゲンの合成を促進している物質なので、化粧品などの美容にも取り入れられています。

ヒートショックプロテインが増える事により、代謝が活発になり、脂肪が燃焼される事から、ダイエットにも効果があるといいます。


さらには、がん細胞内にヒートショックプロテインが増えることで、「自分はガン細胞である」という指標(抗原提示)をたくさん出すようになります。

その結果リンパ球が、ガン細胞を認識しやすくなるので、効率的に攻撃を加えることができるようになる(免疫力のUP)ため、ガン治療にも応用されています。

人体の約60兆個の細胞のほとんどはタンパク質で出来ています。

熱をはじめさまざまなストレスを受けると、細胞のタンパク質が傷害を受けます。
ストレスで傷ついたタンパク質を元通りに治すのに、細胞はみずからヒートショックプロテインをつくります。
ヒートショックプロテインは、私たちの体を守る仕組みのひとつなのですね。

注目したいのは「熱ストレス」がヒートショックプロテイン(HSP)を最も多く増加させる要因となることです。

そうです、お灸です。

あ、温泉・お風呂って思い浮かべた方、それも正解です。

「お灸」の効果・効能は以下の通り。


「白血球」-白血球数・平均遊走速度・貪食作用の増加。

「免疫細胞」-リンパ球・NK細胞などが増量し活性化する。
      細菌やウイルスなどに感染した場合の抵抗力が上がりますから病気になりにくくな
      ります。
       「キラーT細胞」(免疫細胞の一つ)活性化により「ガン細胞」などを、消滅に向かわ
      せます。

「赤血球」-赤血球数やヘモグロビン(hb)の量が増加。
     ヘモグロビンは酸素を運び、細胞へのエネルギー供給が増すわけですから細胞活動の
     活性化、身体の回復力を増します。

「血液凝固」-血液凝固系の働きが活性化し、血液凝固時間が短縮します。

「副腎皮質ホルモン」-血液中の「ステロイドホルモン」浮遊率が増加し、裂傷や炎症を随時修復し
          ます。


そして、当治療室の得意としている

「自律神経の調整作用」これは、

「あっ、熱いかな」

「ううっ、ちょっと我慢しようかな」

「…ハア、大丈夫だった。ほっ。」

という、程良い刺激の緩急、揺り戻し作用が体に働きますので術後には

「ほっ…」

とした身体になっているという治療ですから日頃緊張が強くて肩こりや頭痛、不眠や不安といった症状の方に喜ばれています。

身体の温冷は触診で丁寧に探しますが、とても局所的に冷えがあって患者さんの手をそこに導くと「え、こんあところがこんなに冷えてるの」と驚かれる方も少なくありません。

ご自身では解らないものなのですね。

もちろん、室内・治療ベッドは快適温度になるよう患者さんごとに調整してますし、症状に応じて遠赤外線を加療したりします。

冷えを排除する環境で治療をすることを軽んじている鍼灸治療院はこの日本には無いだろうと思います。

確かに鍼を身体に打つ、灸を施す、だけで身体は温まってくるのですが、限られた治療時間ですから環境で補完すること怠るわけにはいきません。

寒さを感じる治療院に通っているなら「寒いです」と言いましょう。
でないと治るものも治りません。

(もちろん、余計な熱も排除しますよ。患者さんに応じて適宜調整です)


そうそう、切創やヒビ、アカギレにも灸を良く用います。

勤務している整骨院のスタッフが誤って手をハサミで切ってしまいましたが、止血して傷にお灸をするとすぐに治ったりました。傷跡もきれいに残らずに治癒しました。
外傷や帝王切開、その他手術痕が疲れているときや寒い時にひきつったり疼いたりする方にもお灸で対応し良くなられています。

膝の痛み、水が溜まるなどにも効果的ですし、冷え、月経困難症、腱鞘炎なんかにも良く効きます。

自宅施灸の指導もしていますのでご相談ください。

それも面倒だという方、せめて、お願いですから、身体を冷やさないでくださいね。
そうそう、はらまき(カイロ用ポケット付)はとても良いですねえ。

立春も過ぎ、少しづつ温む季節ですが寒の戻りにお気を付けを。
by fuji69fes | 2011-02-07 19:38 | 治療室より
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