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こころ と からだ その深いかかわり

 
「病は気から」
といいますけれど、鍼灸治療において、からだの状態を探るときに、こころのありよう
(ストレス)を度外視してからだを診ることはできません。


こころのありようはからだに

  からだのありようはこころに うつしだされます。



血圧が高い、頭痛がする、肩がこる、眠れない、イライラする、お腹が痛い、汗が出る、
吐き気がする、こんな症状は重篤な病が背後に隠れているケースもありますけれど、
なんらかのストレスが刺激してからだに顕れる症状であることが多いのです。

失敗をやらかして冷や汗が出た、会議の前にお腹が痛い、会いたくない人と昼食を一緒
にしなければならない・・・ああ、頭が痛い。  まあ、日常茶飯事ですね。

でも、そんな冷や汗、腹痛、頭痛、無いほうが良いですね。
だって、そんな症状が出ない人もいるらしいことですし。

イヤ~な条件(外部環境)に関わらず「自分の内部はいつも快適!」って保てる機能を恒
常性≒ホメオスタシスと言います。





外が暑いとからだが汗をかいて体温が上がりすぎないようにする、とか。


内分泌系
自律神経系
免疫系

これらの3つの働きがからだの内部を最適に保つホメオスタシスというしくみに関わって
います。

しかし、ストレスといったこころのありようはこの3つのはたらきに大きな影響を与えます。


それを放っておくとこころの不調がからだの調子を悪化させるということになりかねませ
ん。しかし、逆もまた真なりで、からだの不調を軽くするとこころも軽くなるのです。

随分昔のことですが、駆け出しのころ、糖尿病で、頭痛持ちのご婦人を治療させて頂いた
ことがあります。まあ、頭痛は首肩の緊張がとければ治るだろうと治療させて頂いたので
すが治療して2日くらいは「スッキリ」しているとのこと。
でも、3日目くらいからはだんだん頭が重くなり、1週間はとてももたない。
治療でスッキリ感を味わったから、余計にツライと文句まで言われて駆け出しの僕はタジ
タジでしたが、ご婦人も週2~3回治療に来て頂いたので調子の良い状態が1カ月位続い
てました。

そして、血糖値を計る時期が来て「HbA1cが8超えるくらいだったのに7切った」との報告
をいただけたんですね。本人はインシュリン注射の生活だけは避けたがっていたのでこれ
は僕も嬉しかったです。


糖尿には運動不足、ストレス、そして食生活がとても大きく関わっているのですが、どうも
家のことで相当ストレス、それこそ頭を抱えていたそうで、治療で頭痛(肩首のコリなど)
が消え、こころが軽くなり、糖尿病(内分泌系)の値も軽くなったという好例でした。

そうそう、採血のときに看護師さんから「血管を探し易くなった」と言われたそうですが、確
かに沈んでいた脈も力をおびてきてましたからそうなんでしょうね。

こころ と からだ をひとつと捉える、

心身不二との観点で治療にあたる、

そんな鍼灸治療をこれからも更に深めて行きたいなと思います。

次回は自律神経系について少し書けたらと考えてます。
by fuji69fes | 2010-07-08 22:12 | 治療室より
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