白浜の夏はいのちまぶしくかしてしまいそうだった。 海辺の町の噎せ返りそうな夏草と土の匂いに呼び起こされ、日常に滲んでいた記 憶の輪郭が突如くっきりと浮かび上がる。 容赦なく照りつける日差し、 それは見落としていた陰影をくっきりと僕の眼に届ける。 いのち濃く、激しくゆれる夏。 それは灼熱のバラナシにも似て、浮かび上がるいのち。 死を内包してこその生。 潮混じりの強い風に靡く木々の葉 深い緑は夏の太陽に負けることなく 強い光を取り込みながらみずみずしさを増して 葉裏に影を作って自ら浮かびあがる 眼鏡橋の架かる水面にはこの最近生みおとされた卵としてのいのち、 それは蛹を経て孵化し成虫となるのだが、早くも次の命を産み落とし 岸辺の土の上には屍を運ぶ蟻の列 夏来たる 生命感が色濃い季節 光と影 熱とみずみずしさ コントラストは個々を区別する バラバラとなったかのそれはある力によって繋がりを持たされ万象へ たいていの人は長生きしてしまう。 人生は所々で輝いて、その光は次第にに薄らいでいく。 今目の前に感じるコントラストを認識することなく緩慢な終わりを迎えていくのもあり だろう。 今目の前に広がるこの掟のようなものをどう捉えるのか。 見てしまったからには、感じてしまったからにはもう一度覚醒すべきなのか。 内在する効力意識をどう扱うのか 白浜町に訪れて、昔バラナシで感じた像(イメージ)の再来を体験。 激しく散った生命と新しく輝きはじめた生命に想いを巡らせて自らの先を見据えなお すきっかけとなった三年目のこの日。
by fuji69fes
| 2009-07-14 12:37
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