虚を補い 実を瀉す 

春分ですね。
この10日ほど花粉や埃で体調がイマイチでしたので走ったりすることが出来ず体が錆びついてしまったような気がします。
区の体育館など使って体を動かせば良いのでしょうけど、なかなか開館時間中に行くことが難しくて…そんな言い訳しながらこの4月はマラソン大会もキャンセルかな…なんて思ってます。
ちょっと怠け過ぎました。

さて、虚を補い 実を寫す と題に記しました。

これは鍼灸治療で僕が重要視している治療原則についての話ですが、僕の場合、難経六十九難や七十五難がその原則にあたります。(流派がいろいろありますから他の鍼灸師の先生もこれに当てはまるわけではありません)


もっと簡単にいうと「虚を補う」ということになります。



虚(正気の足りない状態)を補う

これは足りないから手に入れる、填補する、というふうだけ捉えてはいけないのですね。
補う量が行き過ぎてもいけない。

ちょうど良いところまで補充できれば良いのです。過ぎないこと。


対比する言葉として、

実(有り余る気)を瀉す

というのもまた治療原則ですからリッチ、パワーがあることをなんでも良しとしているわけではないのです。行き過ぎているとこれもまた病なのだとしています。足りていれば良しとする。



実は治療においては虚を補い、正気を超えてしまうほどになることはまずないし、正気を超えてる実というのも虚を補うと実が平坦になり霧消することが多いので瀉すこともあまり無いのです。
これは鍼灸治療を続けてきて「へえ~っ、東洋的だなあ」って実感している事です。

虚を補い、実を瀉す、を治療原則としてまずは虚を探し、補う治療をする。

虚を補う、すると実を瀉すことなく霧消することが多い。

つまり、虚を補えば良いだけのことが多い。



私たちの生活を振り返ると「ちょうど良い」を過ぎてしまっているものも多いですね。
考え過ぎ、食べ過ぎ、寝過ぎ、仕事し過ぎ、飲み過ぎ、買い物し過ぎ、遊び過ぎ…キリが無いですね。


でも、「虚を補う」と「過ぎてしまう」こともあまり無いのではないかとも思います。

おそらく「何かが足りない」つまり虚であるから考え過ぎたり、食べ過ぎたり、寝過ぎたり、仕事し過ぎたり、飲み過ぎたり、お金使い過ぎたり、ちょっと怒り過ぎたり、…

「足りない何か」ってなんでしょう?

皆さんそれぞれ思い当たる節もあるでしょうね。


でも、どれを補えば良いか見当がつかない。

陰陽五行説に当てはめると優先順位がわかるかも知れませんね。御相談受け付けてます。



これは東洋医学というより東洋思想なのですけど、「正」の状態とは小さ過ぎても大き過ぎてもよろしくない。(正の字って五画ですね、五行のバランスが取れている状態を表してるのだと思います)


そして、突出した尖ったものより「まあるい」がよろしい。

「ちょうど良い」という、森羅万象のバランス、ハーモニーが大切。


飛躍するように思うかもしれませんんが、人間だけが…では無い、森羅万象のちょうど良いバランスです。

   足るを知る
   
   過ぎたるは及ばざるがごとし


何と比べているのか、足りない足りないと嘆いたり、

他人からこのくらいのパワーをつけろと強要されたり、

とかくこの世はいろいろありますが、自分に、隣人に、環境に、いろんなものにとって「ちょうど良い」ってなんだろう?と探してみる春にしたいですね。

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陰陽魚大極図



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by fuji69fes | 2013-03-20 06:19 | 治療室より
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