寒土用が終わり立春です。

立春。
まだまだ寒いですが天は春に入り、日が長くなりはじめます。

暦と東洋医学の話は時々患者さまにも聞かれたりします。

先日も「土用だから内臓に注意してと知り合いに言われたのですけど…」と患者さんから話題の提供がありました。
そのお知り合いというのが年配の占いをされている方とうので僕も興味深く思いました。
この場合の占いというのはおそらくは易だと思うのですが僕は占いは門外漢なのでハッキリしません。
土用というのは年に4期間あります。有名なのは夏土用(の丑の日)ですね。


東洋の思想に陰陽五行説というのがあります。
万物を陰と陽に分け、また、万物が五つから成るとする概念です。

陰陽師とかフィフスエレメントとか、そんなキーワードで少し知られるようにもなってますね。
その手の映画やサブカルチャーにも疎いので東洋医学と関連してるかわからないですけど。

さて暦、二十四節季もまた陰陽五行と深く関わってます。

二十四節季は太陰暦を使用していた時代の季節を区切るための工夫です。
昨年末少し話題に上がったマヤ歴などは目的別の複数のカレンダーを利用していて使い分けていたとか。

人間の営みにおいて暦というのは重要なツールですね。給料日がいつとか、あのドラマが何曜日とかそれだけのスケジュール表ではありません。

農作物においては「種植えがいつ」「収穫がいつ」とわかるカレンダーや漁業では「どんな魚がいつ釣れる」「回遊してくるから漁期はいつ」といったカレンダー、林業では「この木は樹齢が何年立つと材として使える、また次の材が育つまで何年かかるから植樹のタイミングがいつ」など。

カレンダーがあることで地球における万物の営みのサイクル、種を絶やさずに糧として頂くといったことが可能なわけです。
近代以降、「乱」の字が付いた乱獲、乱開発、などありますがきっと太古の時代にもそういった失敗を重ねてデータが揃っていったのでしょう。個人では扱いきれないデータを人が社会生活を営み成功失敗を学び、共有し有用なツールが出来た、人間の体調管理もまたシーズナルパターンがあります。

今の日本は太陽暦で時間軸が動いてますが、季節感としてはやはりというか、二十四節季(太陰暦)で動いてます。成り立ちからして当たり前のことですけどね。

そして、中国から渡ってきた陰陽五行説と鍼灸医学もまた日本人特有のアレンジを加えつつ発達・進化してきたようです。

ながながと書き散らしてますが、これからやっと土用の話です。

陰陽五行説と暦の関係をいうと春(肝) 夏(心) 長夏(脾) 秋(肺) 冬(腎)
 と五つに分けると学校で習いましたが、春(肝)夏(心)秋(肺)冬(腎)の四季のそれぞれの境目もまた脾の季節であります。それが土用。

土に用事のある日?

夏野菜の定植、ネギの本伏せ、稲の刈り入れ、畑の寒起こしなど農繁期となるとのことです。
そういえば畑や花植木いじりが大好きだった祖母がそんなこと言ってたような…

五臓(肝 心 脾 肺 腎)の関係で言うと土は脾。

脾は飲食をつかさどり、血を作るといった人間の営みの根本です。
消化吸収・水分代謝の調節機能ですから、つまり「内臓機能」ということになります。

だから、「土に用事がある期間」というのは農作業では農繁期、人間の体では「内臓に用事がある期間」体の内側で調子を整えるのに忙しい時期でもあります。

季節の変わり目の18日間程度が土用です。

季節の変わり目というと大気も不安定(季節がどっちつかず つまり、体もどっちつかず です)

→自律神経の乱れが起こりやすい。

→自律神経が乱れると自律神経支配の内臓も調子を崩す。飲食から栄養を得ることが不安定になる。

→体の調子が崩れる。

ということで土用には〇〇を食べましょうとか養生法がいろいろ言われてます。



でも季節の変わり目って結構忙しいものです。
忙しいと胃が高ぶって(胃実熱とか言ったりします)胃の中に食べ物をなんでも放り込むのが気持ち良かったり、ついつい食べ過ぎたりしちゃいます。
早食いにもなりやすいし、大食いしてしまう。

負担をかけたくないのに負担がかかるようなことをしてしまう。

普段から心がけて頂きたいのは早食い、大食いをしないこと。
そのためには良く咀嚼して食べることです。もちろん普段から言えることですね。

相生関係でいうと脾は肺の母 脾が弱まると子の肺が養われなくなりますので肺の司る呼吸器や皮膚のトラブルが起きてしまいます。
風邪の季節、花粉症の季節でもありますから寒土用の時期は節制していただけていると良いのですが…お気づきのように、寒土用が終わってからそういわれてもねえ…スミマセン。

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by fuji69fes | 2013-02-04 12:56 | 治療室より
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