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冷え と 正月太り 腎虚のはなし

寒い日が続きます。
風邪ひきやすいので換気と加湿に気を使いますね。

さて、1月も後半、お正月に食べすぎた?のか「体重減らないんだけど~」と
悩んでいる方も少なくないかと思います。


おせち料理を食べる人も減ってきてるようですが、じゃあ家でいつもの食事か
というと外食やおせちではないけど、いつもよりちょっと豪華な感じの食事など
ハレを楽しんだ人も多いのではないでしょうか?


脈やお腹を拝見して思うのは・・・ですね、正月太りの方の多くは水太りだと

冷えを感じる人なんて特にそういう傾向が強いようです。


おせち料理はもともと保存できるタイプの料理ですし、塩や醤油といった塩分
多めな味付けなのだと思います。そもそも日本の冬の食事は塩分多めです。

でもそれはそれ、そんなに目くじら立てるほどのことでもないと僕は思うのです
が。

で、この塩分がちょっとだけ悪さをします。




人の体のなかは体液といのがありますが、そのなかでも細胞外液はある一定
の塩分濃度を保とうとしています。(0.9%、生理食塩水)

浸透圧とか腎での排泄、再吸収等の働きで一定に保たれるのですが、過多に
なったときは血圧を上げて腎臓からの排泄力を強めたりします。
塩分が高血圧に良くない、腎臓に負担をかけるというのはこの働きのためです。

   ~東洋医学のの働きは生命力・体を冷やす(必要分)、引き締めるといったイ
    メージなのですが、腎虚というと腎が衰え、生命力が落ちるようなことにもつな
    がります。
    これはただ弱弱しくなるというケースだけでもなく、先に述べた冷やす、引き締
    めるといった抑えの力が弱くなることで、無茶をしたり、抑えがきかない状態に
    なったりすることも含みます。
    引き締める力が弱り、体型に締まりがなくなってくる
    お腹周りのコルセットの役目の筋肉が締まりをなくして腰痛を起こしたりもしま
    す。冷やすべき部分を冷やす力がなくなり、のぼせてしまう。
    これらも腎虚の場合が多いです。    
    腎が虚する、血圧が上がる、抑えがきかないと血管が破ける、怖いですがそん
    なことも腎虚だったりします。

    こころ の面で見てもこの腎虚は当てはまります。
    年を重ねると頑固になる、怒りっぽいなんて言われるタイプもまた、腎が衰え、
    感情に抑制が効かない場合があると。
    もちろん、若くても疲労が溜まり、感情に抑制が効かずキレる、あたり散らす、
    イライラが募るのはよくあることですね。腎の虚が背景にあります。
    (実際には母の腎が虚して子の肝虚となると考えます)           ~


閑話休題
腎の説明をちょこっと?したところで話を冷えと正月太り(水太り)へ戻します。


体内の塩分が増えれば渇きを感じ、水分を補給して体液の濃度を保とうとします。
おせち、外食、ちょっと豪華な食事などで年末年始を過ごしてきた体は、塩分が増
えたのかもしれません。そこに、水分を入れると体内の濃度を一定にしようと水分
は体内に停滞します。

その停滞した水の分、体重が増えたのが水太り。

そして、体内に水が増え外気は寒いこの季節、体内の水が冷やされ冷えをため込
むといったイヤな状態になります。

ちなみに、むくみ(浮腫)とは、体内の水分や塩分(ナトリウム)が過剰になった状態
のことをいいます。
体液のナトリウム濃度のバランスの崩れということですね。



じゃあ、水分を出せば良いのか?
確かに水分を出しちゃえば体重はあっという間に減ります。
ジョギングやフィットネスで汗をかいてそのがウェイトが減っているのは「ほぼ水分」
です。

脂肪燃焼ではないです。(注:基礎代謝が上がってその後脂肪燃焼に働きますから
運動は効果ありますよ、僕は昨年11月の一か月でジョグで3.5kg減らしました)

でも体内のナトリウム濃度が高ければまた乾きを感じて水分を体内に入れ、その水
分は停滞してしまうので運動をしても、このサイクルはしばらく続くかもしれません・・・。

だいたい、体は度を超えて悪くなる時はあっと言う間に思えますが、けっこう気付か
ぬうちに少しずつ悪しき習慣でむしばまれています。
なので、あっという間に良くなることも少ないですね。残念ながら。

では「ナトリウムを薄めてしまえ」という考えが次に浮かぶのですが、これには二通り
考えられます。

1.塩分摂取を控える。 

基本です。でも外食とか多く入ってるんですね。ナトリウム。

(スポーツドリンクはナトリウムが入ってますねえ、多分不要です。フィットネスやウォ
ーキング、軽いジョグなら水で十分。)
また、気にし過ぎて低ナトリウム血症となる人もいますのでバランスが大切です。

2.ナトリウムを排泄する。

腎臓が勝手に排泄、再吸収を行っているはずですが、いつも体内がうまく働いてい
るわけではありません。だから、冷えるし、むくむし、体調悪いのですからね。
それに先に述べたように腎臓が排泄するには血圧を高める必要があるのです。
細くて、力少なく、冷えてる人だと、血圧低かったりしますし、水太りで血圧高めの人
だともっと血圧上げると大変なことになりかねません。

では、排泄は無理でしょうか?

東洋医学では悪いところと同じ食材が良いなんて言います。
腎が悪い時は同じ形した豆。腎なので色は黒(紫)。季節は冬。といいつつ赤い小豆の話を。

小豆の煮汁は冷えに良いとされていますが、小豆に豊富に含まれるカリウムは
腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制する効能があり、利尿作用も高いのです。
つまり、ナトリウム(塩分)を尿(水分)ともに排泄する作用があるのですね。

よって、ナトリウム排泄→体内の塩分濃度一定化→過剰な水分の停滞解消

→冷え、水太り改善!

という図式で小豆の煮汁効果を試してみてはいかがでしょう?

【小豆の有効成分と効用】
・ビタミンB1 ---
 糖質をエネルギーに変える働きがあり疲労回復や夏バテの予防に役立ちます。
 不足すると、精神的に不安定となりイライラしてきます。
 お砂糖加えるとB1が壊れますから甘くする時は三温糖やサトウキビが良いかと。
・カリウム ---
 体内の余分なナトリウム(塩分の摂り過ぎ)を排泄する働きや利尿作用があり、
 高血圧の予防や脚気によるむくみを取り除いてくれます。
・サポニン ---
 血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きや利尿作用があり、
 高血圧や糖尿病の予防に役立ちます。
・アントシアニン ---
 抗がん作用や抗血栓、抗ウイルス作用のほか、眼精疲労の回復や視力向上に
 役立つといわれています。
・食物繊維 ---
 便秘の解消のほか、動脈硬化や高血圧の予防に役立ちます。

「あずき南瓜」というのがありますが、糖尿に良いとされてます。



もちろん、腎=黒 →黒豆もカリウム多いです。小豆のほうが多めに食べやすいし
手に入れ易いですよね?



当治療室でも糖尿や水太り、水毒とも言われるような片頭痛、などの腎の病の患者
さんの場合、鍼灸で水を裁く治療を施すと良くなっていただける場合が多く、そういっ
た時には腎の話を患者さまにしてます。
上記の腎の話ついでにもうちょっとだけ東洋医学、五行論(五臓)からみた腎の話を。

腎が虚するとマメな働きができなくなります。
腎臓が豆の形してるから「引き締め」て「冷静」に「生命力」しっかりと物事に勤しむこと
を「まめ」といったのでしょうか。なかなか興味深いところです。
腎が虚していくと生命力・精力が落ちます。の状態が悪くなります。耳が悪くなります。水が偏ったりするのでメニエルとかめまい、鳴りの病気も出ます。
下の色体表で骨とありますが骨が脆くなったり、といって神経や脳の症状も腎虚の場合がありますね。感情としてはれをベースにその不安感から逃れるために怒りに転じたりするのは上記の肝虚で説明されます。表裏の関係に膀胱がありますが、これは水分代謝に非常に関係があります。

いつも五行色体表に立ち返って思うのは西洋医学よりずっと古くにここまで体系だてていた東洋医学をなぜもう少し大切に扱ってこなかったのかということですが、ま、それは最近見直されてきているようなので大目に見ましょう。
五味のというのは塩からいの意味です。今回の塩分の話にピッタリはまりますね。



※水太り、むくみについて

東洋医学でいう腎虚の水太りは俗に言う下半身太りです。
(腎は、立ち姿勢でいうと下半身です。腰や下肢の症状も腎虚が少なくないのです
上半身は陽なので腎の病でない場合があります。)

洋なし体型とか、臍より下の冷えなども腎虚と考えることが多いです。

腎(生命力ですから子宮や卵巣、など生殖器系の病も腎の虚の場合もあります)が
虚しているかどうかの最終判断は僕は脈とお腹で決めますのでこの雑記を読んだイ
メージで腎虚とか判断しないようにお願いしますね。

五行  木  火  土  金 
五臓  肝  心  脾  肺 
五腑  胆  小腸 胃 大腸 膀胱
五官  眼  舌  唇  鼻 
五竅  目  舌  口 鼻  耳
五役  色  臭  味  声 
五主  筋 血脈 肌肉 皮  骨 (髄)
五支  爪  毛  乳  息  髪
五色  青  赤  黄  白 
五味  酸  苦  甘  辛 
五声  呼  言  歌  哭  呻
五志  怒  喜  思  憂  恐
五精  魂  神  意智 魄 精志
五労  行  視  坐  臥  立
五季  春  夏  長夏 秋 
五方  東  南 中央  西  

by fuji69fes | 2011-01-23 13:22 | 治療室より
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