経絡治療学会

本日、学会研修参加のため午前お休み頂きました。
学会参加の皆さまと月一ペースでお会いして情報交換や諸先輩方のアドバイスなど
賜るといつも身が引き締まります。

経絡って?
とか書き始めるとまとまらないのですが、

肩とか腰の痛みとして顕れた愁訴、その枝葉末節を弄る治療ではなく、全体の調子を
整えるべく治療を施す、結果として肩や腰の痛みといった愁訴が消えていく。

そんなイメージでしょうか。


体力のある人、無い人では当然治療のドーゼ(刺激量)も変わるのですが、それがわ
からずに患者さんの主訴部位だけ治療してバランスを整えないでいると治療後に思わ
ぬ体調不良を起こす場合があります。

これは鍼を刺す技術云々というより、治療家が備えるべき身体観の差(あえていうなら
無知)が引き起こす悲劇ですが、僕も初学の頃は勤務先の条件に合わせることに必死
で患者さんのバランス状態を測らずに治療した結果、オーバードーゼを起こしたり、徒
手検査を割愛したり、説明をはしょったりといった準備不足でご迷惑をかけたものです。


訴えの症状は確かに軽くなったのだから仕事はしたことになるのでしょうけど、それを
引き起こしたと思われるバランスの乱れ、それを見つけようと努め、整えるべく施術す
る。気のきく、勘どころの良い職人として仕事をしたいものです。

鍼灸治療はその身体観ゆえ、未病を治すことができ、予防医学として認知されている
のです。
結果としてご自身のお身体でご理解いただけた方の中には、お辛い時だけでなく、継
続的に治療を受けに来られる方も少なくない。
これが、今はブームで忘れられてしまってますが、目指すべき本来の鍼灸治療かなと
思います。


そうそう、今日の研修ではまだ学生の方、資格を取って医療機関で働きはじめて日の
浅い方たちともお話をしました。
皆口にするのが、ひっきりなしに患者さんがやってくる賑やか過ぎる治療院の中では
なかなか思うように効果が上がらない、ベッドが狭くて患者さんに負担がかかる、マッ
サージ主体なので熱がる術者が多く、服を脱ぐ鍼治療の患者さんには寒すぎると、鍼
灸ならではの治療哲学が活かすことのできない等など、生活と勉強の為に勤めてい
る現場に不満があるようでした。

皆、できれば落ち着いた静かな治療室で患者さんひとりひとりの

「熱い気がします」 「寒いです」 「物音がうるさく感じます」


といった差に細かく応えながらじっくりと治療をしたいのです。

すると当然コストにも跳ね返ってしましますので効率化を優先すると「これで来てくれる
患者さんだけ来てください」という対応になるのですね。
そこで悩む。

せっかく来ていただいた患者さんには質の高い治療を提供したい。


でも、純然たる鍼灸院でインターンを雇えるよう規模のところは非常に少ない。
お手伝いさせて頂く名目で門をくぐり、無給でお手伝いをしつつ、時折治療を見させて
頂くのがやっと。そして見ても、こちらが勉強してないと何をやっているのかチンプン
カンプン。


思えば僕もそうでした。
面接に行った治療院が寒く感じると、ここでは自分の患者さんが来ないと思って辞退し
たこともありました。
先日、その院の前を通ったら別の治療院の看板に変わってましたけど・・・。

ああいった治療院で経験を積んで「そんなもんで良いんだ」と独立した鍼灸師が細やかさ
をはしょって治療すると先に述べた予期せぬ、いえ、予期すべき体調不良を引き起こすこ
とに繋がるかもしれませんし、そうすると「未病治なんて言ってるけど嘘っぱちだ」と言わ
れかねませんから鍼灸師は心しましょう。

まあ、お互い愚痴を言い合いながら同じ志を保ちつつ、己を磨ける場がこうして与えられて
いるのは幸せと思い、学会の諸先輩方と会場を用意していただける学校関係者の方々に
感謝するばかりです。

さて、今日もこれからブラッシュアップした知識と技術で患者さんをお迎えします。
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by fuji69fes | 2010-11-21 12:58 | 治療室より
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