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如月小春

如月ですね。
陽気が更に来る月であるから「気更来(きさらぎ)」と東洋医学の講習会で
聞いたことがあります。
しかし予報は今夜から大雪とか…今日はなんだか~


如月に陽気が更にくるというのは二十四節気において真冬から立春(新年)
を迎え、雨水、啓蟄を待つ時期。
冬至を過ぎて、大寒を超えて、日照時間も長くなってきた、気圧の配置も移
行してきて暖かくなってくる、そういう季節なのですね。

ま、他にも諸説ありますからダブル・トリプルミーニングや当て字の好きな
この国に生まれたことを楽しみましょう。オヤジギャグもいずれりっぱな伝
統になると思います。





さて、陽気とは暖かい太陽の気です。
体にも陽気が流れる場所っていうのがあって犬猫のように四足で立った時、
太陽を背に浴びたとき陽気があたる部分を陽面とします。
一番陽の気があたるところから順に太陽経、少陽経、陽明経とされ、影に
なる部分は陰面とし陰の気が流れる経絡があります。(厥陰、少陰、太陰)
陰の働きとしては陽がのぼせすぎないように冷やしたり、発散しすぎ、暴れ
回らないよう動きを固めるブレーキ役を担っていたり。

だから人が起きて活動しているときは陽の働きがそこそこ大きくて、寝てい
るときは体を休ませ静かに粛々と陰の気が働いている。
もちろん起きて活動しているときも寝て休んでいるときも陰陽どちらか一方
ではなくてその配分がちょうど良いようになっているのですけど。
陰陽魚がそのイメージ。
如月小春_d0142660_16492118.jpg

日周期(サーカディアンリズム)でも一年という周期においてもこの陰陽バ
ランスは刻々とその配分を変えていくわけです。人間もそのリズムに少な
からず組み込まれていて日、月、季節、年、一生という中でそのバランス
を変えていると。
大切なのは陽気も陰気も大切でそのバランスの妙で健康が成り立ってい
るという考え方なんですけど、なかなかイメージできない人も多くて。

SUNNYSIDEという言葉が好きな僕ですけど、それは西洋的な捉え方で
SUNNYSIDEの反対は?と考えるとDARKSIDEとかとShadeとか、なん
だかマイナスイメージになってしまいます。
二元論といってもステロタイプな西と含みある東では異なる。
(偏りすぎですね、僕)
せめてMOONSIDEくらいなら良いのですけど。

そもそも宗教観的にも哲学的にも背景が異なる西と東ですから訳したとこ
ろで理解し合えない部分も多く、これだけ西洋の波に飲み込まれた国です
からON/OFFでどうにかなりませんか?

そう短絡的に考えたくなる人も多いのはわかるのですが、どうも教育機関
も生徒もお互いのツッコミがが甘くて試験受かればいいやと?なあなあに
なっているような気がします。
個人的には「背景」を「バックボーン」としないところが東洋的なのです
けどそういうセンスを身につけてあげれば良いのになあ。
骨と西洋的価値観についてはいずれまたの機会に。)

学校と言えばもうそろそろ国家試験の時期ですね。
試験に受かってこその治療家人生ですが、大変な勉強をやりぬいて受か
った後こそ目標を持って臨床と学術の研鑽にあたって下さい。

こんなこというのも、この間資格取って一年程のマッサージ師の方から
「なんか東洋医学のなんちゃらかんちゃらって理論的に考えて治療しな
きゃならないのって面倒ですよね」と言われてびっくりしたからなんで
すけどね。

とはいえ、、学校で教鞭とっている鍼灸師、按摩指圧マッサージ師の先生
方と話しても「学生の質が…ね」とのボヤキが多いですけど、僕だって理
解は出来なかったですよ。学校の授業では。でも興味は持ってました。
その辺に興味無くて学校行く人の気持はちょっとわかりませんが。

このツボを押せばここの痛みが楽になる、そんなスイッチがあれば(いや
ほんとはあるはずで回路が複雑なのでいろんなONNOFFを組み合わせるの
が理論なのですね)どなたも病に苦労しないし、僕らのような仕事も要らな
いでしょう。まあ、聞き捨てならない言葉でしたが、本気で人を治療したく
なったら考えてくれるかもしれませんので未来に期待です。
僕だって若造の時は…(苦笑)

僕の知る年上のあんま指圧マッサージ師の方は毎朝つぼの並び(経絡)を紙
に書き写し忘れないように努力していらっしゃる。
「これがホントの写経です」なんて冗談を言いながら。
こういった先輩には素直に憧れます。
憧れる人物像が最近少なくなりました。
ああ、最近愚痴が多いような気がします。大人になりきれないのですかね(笑)

鍼灸師、マッサージ師、また、整体師の人でも東洋医学的アプローチをする人
が多くいますが、患者さんのその日の体調が院が足りないのか、陽が有り余っ
ているのか、そんなことを診てバランスを整えようと躍起になっているわけで
す。それが患者さんの力を導き出すきっかけになると信じて見えないところで
努力しているわけです。


by fuji69fes | 2010-02-01 12:19 | 治療室より
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